【2026年度版】手数料管理簿の書き方|記入例・保存期間・事業報告書との連動ポイント
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【2026年度版】手数料管理簿の書き方|記入例・保存期間・事業報告書との連動ポイント

2026年8月23日20分で読める

📅 2026年5月9日 最新版更新 / 2026年度(令和8年度)提出分対応

手数料管理簿という名前は聞いているが、求人管理簿・求職管理簿と何が違うのか分からない」 「エクセルで管理しても法定帳簿として認められるのか判断に迷う」

有料職業紹介事業では、手数料管理簿の作成・保存が職業安定法施行規則で義務づけられています。求人管理簿・求職管理簿と並ぶ法定帳簿3種の1つで、紹介手数料の収受状況を証跡として残すことが目的です。事業報告書の「手数料収入」欄とも直接連動するため、帳簿と報告書の数値がずれると差戻しの原因になります。

本記事で分かること

  • 手数料管理簿の記入項目と記入例
  • 求人管理簿・求職管理簿との違いと役割分担
  • 事業報告書(様式第8号)との連動ポイント
  • 保存期間と保存方法(紙/エクセル/電子帳簿)

手数料管理簿とは

手数料管理簿は、有料職業紹介事業者が求人者・求職者から収受した手数料の内訳を記録する法定帳簿です。職業安定法施行規則第24条の7に基づき、事業所ごとに作成・保存することが定められています。

法定帳簿3種の関係

帳簿記録対象主な目的
求人管理簿受理した求人の内容・状況求人動向の証跡
求職管理簿受理した求職申込の内容・状況求職者対応の証跡
手数料管理簿収受した手数料の内訳手数料収受の証跡

3種とも事業所ごとに作成する必要があります。本社+支店の2拠点で事業を運営している場合、拠点ごとに独立した帳簿を備えてください。

法定帳簿全般の概要は法定帳簿3種と事業報告書の関係で、事業報告書との連携は事業報告書(様式第8号)の書き方ガイドで詳しく扱っています。本記事は手数料管理簿の記入実務に絞った姉妹記事として読んでください。

手数料管理簿の記入項目と記入例

手数料管理簿の記入例
手数料管理簿の記入例

手数料管理簿の法令上の必須項目は、手数料を収受した年月日・相手方・金額・名称などです。実務では以下のような様式で運用するケースが一般的です。

記入欄入力値の取り方注意点
収受年月日手数料を実際に受領した日請求書発行日ではなく入金日基準が原則
手数料区分紹介手数料/求人受付手数料/求職者手数料該当しない区分は空欄ではなく「—」で埋める
収受相手先求人者または求職者の名称個人情報として保存管理に注意
対象求人・対象求職求人管理簿・求職管理簿のIDと紐付け相互参照できる管理番号を振る
金額(税込)実際に収受した金額消費税分を含めた税込表記
返戻金早期離職等で返金した金額発生した期に計上
備考契約条件・割引の有無など監査時の確認事項として残す

記入例(紹介手数料の典型ケース)

収受年月日手数料区分収受相手先対象求人ID金額(税込)
2026/04/15紹介手数料株式会社A社J-2026-0042990,000円
2026/04/22紹介手数料株式会社B社J-2026-0051550,000円
2026/05/06返戻金株式会社A社J-2026-0042△198,000円

紹介手数料の金額は雇用契約成立時に確定することが多く、収受日と成立日がずれるケースが頻発します。管理簿上は収受日ベース、事業報告書上は期中の確定額ベースと、基準日の違いに注意して記録してください。

求人管理簿・求職管理簿との違い

法定帳簿3種の関係図
法定帳簿3種の関係図

3種の帳簿は目的・記載項目・保存要件が異なります。

記載項目の違い

項目求人管理簿求職管理簿手数料管理簿
相手先求人者(企業)求職者求人者または求職者
受理年月日
収受年月日
金額
成約状況

運用上の違い

  • 求人管理簿は求人票の受理と対応履歴を残すため、成約までに複数行の更新が発生します
  • 求職管理簿は求職者本人の個人情報・希望条件を記録するため、個人情報保護上の管理がより厳しくなります
  • 手数料管理簿は会計データとの整合性が重要で、会計システムの収益計上と齟齬がないよう基準日を統一することが求められます

3種を別々のツールで管理すると求人ID・求職ID・手数料の紐付けが崩れる原因となります。可能な限り、3種を相互参照できる共通番号体系を設計してください。

事業報告書との連動ポイント

事業報告書との連動ポイント
事業報告書との連動ポイント

手数料管理簿の期中合計は、事業報告書(様式第8号)の「手数料収入」欄と一致する必要があります。

事業報告書の欄手数料管理簿から集計する値
紹介手数料収入期中の「紹介手数料」区分の合計(税込)
求人受付手数料期中の「求人受付手数料」区分の合計(税込)
求職者手数料期中の「求職者手数料」区分の合計(税込)
返戻金期中に返金した金額の合計

連動の3つの落とし穴

落とし穴1: 税込/税抜のずれ

事業報告書は税込金額で記入します。会計システムから税抜データを流用すると、税抜で転記してしまい差戻しの原因になります。手数料管理簿の金額欄は最初から税込で統一することを推奨します。

落とし穴2: 計上日のずれ

管理簿は収受日、会計は発生日で計上するとズレが発生します。事業報告書は期中に確定した手数料収入の合計で記載するため、管理簿と会計の基準日を事前に揃えてください。

落とし穴3: 返戻金の符号

返戻金は「△(マイナス)」で記載するのが一般的ですが、事業報告書の欄では別欄で集計する様式です。管理簿上で返戻金を手数料からマイナスしたまま集計すると、事業報告書の「手数料収入」と「返戻金」の2つの欄で二重控除してしまう事故が発生しやすいため注意してください。

事業報告書全体の書き方は事業報告書(様式第8号)の書き方ガイド、エクセル様式での転記実務は記入例(エクセル版)で解説しています。

保存期間と保存方法

保存期間と保存方法
保存期間と保存方法

保存期間

手数料管理簿の保存期間は、職業安定法施行規則第24条の7に基づく厚生労働省の業務運営要領により完結の日から2年間と定められています。「完結の日」は該当取引が終了した日(手数料徴収完了日)を指し、複数回の取引がある場合は最終取引日を基準として運用されるケースが一般的です。

保存対象保存期間
手数料管理簿完結の日から2年
求人管理簿完結の日から2年
求職管理簿完結の日から2年

法定帳簿3種(手数料管理簿・求人管理簿・求職管理簿)はいずれも完結の日から2年間の保存が基本です。起算点となる「完結の日」は帳簿ごとに異なる(手数料管理簿は手数料徴収完了日、求人管理簿・求職管理簿は有効期間終了日)ため、廃棄タイミングは帳簿ごとに独立して判断してください。

完結の日の起算点と廃棄判断
完結の日の起算点と廃棄判断

同じ案件でも、求人票の有効期間が終わった日と、返戻金の精算まで含めた手数料の徴収が完了した日は一致しません。案件単位ではなく帳簿単位で起算点を持つのが正しい運用で、「1案件まとめて2年」と数えると手数料管理簿だけ保存期間を早く切ってしまう事故が起きます。

保存方法

紙・エクセル・電子帳簿のいずれでも法定要件を満たせます。実務では以下が選ばれる傾向があります。

保存方法メリット留意点
紙(紙台帳+ファイリング)監査時の提示が容易保管スペース・紛失リスク
エクセル導入コストゼロ/検索容易改ざん防止策を自社で設計する必要
電子帳簿(専用システム)改ざん防止・バックアップが確実導入コスト・運用ルール整備

電子保存を選ぶ場合は、保存後の改ざんが検知できる運用(タイムスタンプ付与・アクセスログ保存)を備えると望ましいでしょう。

罰則

法定帳簿を備え付けない、または虚偽記載を行った場合、職業安定法の規定に基づき罰則の対象となり得ます。許可更新の審査でも帳簿整備状況が確認されるため、日次・月次で記録を更新する運用が望ましい状態です。

よくある質問(FAQ)

手数料管理簿の記入項目は何ですか?

法令上の必須項目は、手数料を収受した年月日・相手方・金額・名称です。実務では、対象となる求人・求職の管理番号、手数料区分(紹介手数料/求人受付手数料/求職者手数料)、返戻金、備考なども併せて記録することで、監査時や事業報告書作成時の集計が効率化されます。

手数料管理簿と求人管理簿の違いは?

求人管理簿は受理した求人の内容・対応履歴、手数料管理簿は収受した手数料の内訳を記録する帳簿です。求人管理簿は求人ごとに行を持ち、手数料管理簿は手数料の収受ごとに行を持ちます。1件の成約に対して、求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿の3つに跨って記録が残るのが一般的な運用です。

手数料管理簿の保存期間は何年ですか?

完結の日から2年です(職業安定法施行規則第24条の7+業務運営要領)。完結の日は該当取引の終了日を指します。求人管理簿・求職管理簿の保存期間も同じく2年で、3種の帳簿はすべて完結の日から2年保存が基本です。

紙ではなくエクセルで管理しても良いですか?

法令上、保存媒体の指定はないため、エクセル等の電子的方法でも要件を満たせます。ただし、改ざん検知・バックアップ・アクセス管理の自社運用ルールを定め、監査時にすぐに原本を提示できる体制を整える必要があります。複数名で編集する場合は版管理や編集履歴の保存も検討してください。

手数料管理簿と事業報告書の数値が一致しない時はどうすれば良いですか?

一致しない典型原因は、(1)税込/税抜の混在、(2)収受日と確定日のずれ、(3)返戻金の二重控除、の3つです。管理簿と会計の基準日を揃え、税込で統一し、返戻金は必ず「返戻金」欄で別計上する運用にすると差異が解消されることが多いです。差異が説明可能な範囲(決算処理の時期差など)であれば、差異の内訳を備考に残す運用でも実務上は通る傾向があります。

まとめ

手数料管理簿は、求人管理簿・求職管理簿と並ぶ法定帳簿3種の1つで、事業報告書の手数料収入欄と直接連動します。税込金額・収受日ベース・返戻金の別欄計上の3点を守ることで、事業報告書作成時の集計ずれの多くは防げます。

日次・月次で手数料管理簿を整備できていれば、事業報告書の集計作業は集計値を転記するだけで完了します。手数料の料率設計や返金規定そのものを見直したい場合は人材紹介の手数料相場と返金規定、届出制手数料へ切り替える場合は届出制手数料の届出方法も併せて確認してください。


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