
人材紹介の事業報告書(様式第8号)の書き方ガイド|提出期限と記入例
「事業報告書、今年もそろそろ提出しないと...」 「そもそも何を書けばいいのか、毎年よくわからない」
有料職業紹介事業を営む人材紹介会社は、毎年度、事業報告書を管轄の労働局に提出する義務があります。提出を怠ると行政指導や許可取消しのリスクもあるため、確実に対応しなければなりません。
本記事では、事業報告書(様式第8号)の記入項目から提出方法、よくあるミスの防ぎ方まで、実務担当者向けに解説します。

事業報告書とは?提出の義務と期限
提出が義務付けられる事業者
有料職業紹介事業の許可を受けたすべての事業者が対象です。事業規模の大小にかかわらず、許可を保有している限り毎年の提出義務があります。
根拠法令: 職業安定法第32条の16(事業報告等)
提出期限
毎年4月30日までに、前年度(4月1日〜3月31日)の実績を報告します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 報告対象期間 | 前年度(4月1日〜3月31日) |
| 提出期限 | 毎年4月30日 |
| 提出先 | 主たる事業所を管轄する都道府県労働局 |
| 提出部数 | 正本1部+写し2部(計3部) |
| 提出方法 | 窓口持参、郵送、または電子申請(e-Gov) |
4月30日が休日の場合は、翌営業日が期限となります。
提出しなかった場合のリスク
事業報告書を期限内に提出しないと、以下のリスクがあります。
- 罰金: 職業安定法第66条により、報告を怠った場合や虚偽の報告は30万円以下の罰金
- 行政処分: 事業許可の取消し、事業停止命令の対象となる可能性
- 許可更新への影響: 5年ごとの許可更新時に不利に働く
「つい忘れていた」では済まされない重要な義務です。毎年3月に入ったら準備を始めましょう。
様式第8号の記入項目と記入例

事業報告書の正式名称は**「職業紹介事業報告書(様式第8号)」**です。厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。様式は第1面〜第4面まであり、第1面・第2面を両面印刷で提出します。
主な記入項目
| # | 項目 | 記入内容 |
|---|---|---|
| 1 | 許可番号・事業所情報 | 許可番号、事業所名称・所在地 |
| 2 | 紹介予定派遣の有無 | 紹介予定派遣を実施しているか |
| 3 | 活動状況(国内) | 新規求職申込件数、新規求人数、就職件数(常用・臨時日雇い別) |
| 4 | 活動状況(国外) | 国外への職業紹介実績(該当がなければゼロ) |
| 5 | 収入状況 | 手数料収入の合計額(税込で記載) |
| 6 | 従事者数 | 職業紹介責任者・業務従事者の人数 |
| 7 | 返戻金制度 | 早期離職時の返金制度の有無・内容 |
| 8 | 従業員教育 | 従事者への教育訓練の実施状況 |
よくある記入ミスと対処法
| ミスの内容 | 正しい対応 |
|---|---|
| 常用就職と臨時就職の区分間違い | 雇用期間4ヶ月以上が「常用」、それ未満が「臨時」 |
| 手数料収入を税抜で記入してしまう | 税込金額で記入する(消費税を含む) |
| 「取扱職種」が許可証と不一致 | 許可証に記載された範囲と一致させる |
| 期間中の成約なのに未カウント | 内定承諾日ではなく入社日ベースで判断するケースも。労働局に確認 |
| 前年のデータをコピーして修正忘れ | 毎年、帳簿データから新たに集計し直す |
事業報告書に必要なデータの集め方

事業報告書の記入には、日々の業務記録の蓄積が不可欠です。具体的には、法定帳簿(3種類)のデータが基礎になります。
3つの法定帳簿と事業報告書の関係
| 法定帳簿 | 記録内容 | 事業報告書での使用箇所 |
|---|---|---|
| 求人管理簿 | 求人の受付日、充足日、求人条件 | 求人数・充足数の集計 |
| 求職管理簿 | 求職者の登録日、経歴、紹介日、採否結果 | 求職者数・就職件数の集計 |
| 手数料管理簿 | 手数料の種類、金額、収受日 | 手数料収入の集計 |
これら3つの帳簿は、有料職業紹介事業の許可条件として作成・保存が義務付けられているものです。事業報告書はこれらのデータを年度ごとに集計したものと考えてください。各帳簿の詳しい作り方と記入例は法定帳簿の作り方ガイドをご覧ください。
Excel管理の場合の集計作業
多くの人材紹介会社では、法定帳簿をExcelで管理しています。この場合、年度末の集計作業は以下のような手間がかかります。
典型的な集計作業の流れ:
- 求人管理Excelから対象期間の求人数をフィルタ・集計(30分〜)
- 求職者管理Excelから新規登録数・就職数を集計(30分〜)
- 成約管理Excelから手数料収入を集計(20分〜)
- 常用/臨時の区分を1件ずつ確認(1時間〜)
- 産業分類コードの確認・修正(30分〜)
- 数値の突合・検算(30分〜)
合計で3〜5時間かかることも珍しくありません。さらに、Excelファイルが複数に分散していたり、担当者によって記入ルールが違ったりすると、集計ミスのリスクも高まります。こうした課題に心当たりがあればExcel管理が限界な5つのサインもチェックしてみてください。
CRMを活用した効率的なデータ集計
CRM(顧客管理システム)を導入していれば、日々の業務データが自動的に蓄積されるため、集計作業が大幅に楽になります。
CRM活用のメリット:
- 求人・求職・成約データが1つのシステムに集約されている
- フィルタ条件を設定するだけで年度別の集計が即座に完了
- 常用/臨時の区分が登録時に設定されるため後から仕分ける必要がない
- データの整合性が保たれるため集計ミスが起きにくい
特に人材紹介業に特化したCRMであれば、法定帳簿の項目が最初から組み込まれているため、事業報告書に必要なデータを日常業務の延長で自然に蓄積できます。CRMの具体的な運用方法については人材紹介会社のCRM活用術で解説しています。
人材HUBの法定帳簿機能: 人材HUBでは、求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿をシステム内で自動生成します。日々の業務データから法定帳簿に必要な項目が自動的に記録されるため、年度末にExcelを集計する作業が不要になります。月額4,980円から利用でき、14日間の無料トライアルで全機能をお試しいただけます。
事業報告書の提出方法

窓口持参
事業所を管轄する都道府県労働局の窓口に直接提出します。記入内容についてその場で質問できるメリットがあります。
郵送
労働局宛に郵送で提出できます。控えが必要な場合は、返信用封筒(切手貼付)を同封し、コピーを添えて提出します。
電子申請(e-Gov)
政府の電子申請システム「e-Gov」を通じてオンラインで提出可能です。24時間提出できるため、期限ギリギリの場合にも便利です。なお、電子申請には**電子署名(認定局での取得)**が必要です。厚生労働省から電子申請マニュアルが提供されています。
事業報告書に関するFAQ
Q. 開業1年目で実績ゼロの場合も提出が必要?
必要です。 実績がゼロでも、許可を受けている以上は提出義務があります。各項目に「0」と記入して提出します。
Q. 年度の途中で開業した場合は?
開業日から3月31日までの期間が報告対象となります。例えば10月1日に許可を受けた場合、10月1日〜3月31日の実績を報告します。
Q. 複数の事業所がある場合は?
事業所ごとに報告書を作成し、それぞれの管轄労働局に提出します。本社で一括提出はできません。
Q. 記入を間違えた場合は?
提出後に誤りに気づいた場合は、速やかに管轄労働局に連絡し、訂正の指示を仰ぎましょう。悪質でなければ、訂正報告で対応可能なケースがほとんどです。
Q. 提出期限に間に合わない場合は?
できるだけ早く提出し、遅延の理由を添えて労働局に相談してください。故意でない遅延であれば、即座に許可取消しにはなりませんが、行政指導の対象にはなり得ます。
まとめ
事業報告書の提出は、有料職業紹介事業の許可を維持するための基本的な義務です。
押さえるべきポイント:
- 提出期限: 毎年4月30日まで
- 基礎データ: 求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿の3帳簿
- 効率化のカギ: 日々のデータを正確に記録する仕組みづくり
Excel管理では年度末の集計に3〜5時間かかりますが、CRMを活用すれば大幅に時間を短縮できます。
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