
特定募集情報等提供事業概況報告書とは?提出準備と確認項目【2026年版】
特定募集情報等提供事業概況報告書は、様式第8号の6を用いて毎年8月31日までに、当該年6月1日時点で保有する情報の概数を原則e-Govで報告します。この報告は一定期間の利用実績ではなく、基準日時点の情報をサービス別の定義に沿って整理する手続きです。
事業開始前の届出書と概況報告書は、様式、時点、集める情報が異なります。本記事では、厚生労働省の記載要領を基に、報告欄と社内データの対応、集計定義、承認、提出後の記録までを順に解説します。
概況報告書と事業開始前の届出書は別の手続き
特定募集情報等提供事業を始める前の届出と、事業開始後の概況報告は別々に管理します。自社サービスが制度の対象かを判定する段階では、募集情報等提供事業と職業紹介の違いを確認し、報告準備へ制度判定を混在させません。
概況報告書の役割
事業開始前に提出するのは様式第8号の3の届出書であり、開始時の手続きは特定募集情報等提供事業届出書の書き方で確認できます。これに対し、概況報告書は様式第8号の6を使い、毎年の基準日時点で保有する情報の概数やサービス概要を報告します。
概況報告の根拠は職業安定法第43条の5です。届出書を提出済みでも概況報告の準備は別に必要となるため、届出受理番号、サービス情報、基準日時点のデータ、提出記録を独立した案件として管理します。
報告書は第1面から第3面で構成され、求人情報または求職者情報をどのように提供しているかに応じて概数を記載します。単なる取引件数の報告ではなく、サービスの内容、情報の種類、料金に関する事項、的確な表示に関する事項も確認する書類です。
確認済み事項と未取得事項の早見表
指定資料から確定できる項目と、個別確認が残る項目を最初に分けます。特に実績ゼロ時の取扱いは記載要領に明示がないため、他の欄から推測して空欄やゼロを選びません。
| 確認項目 | 確認できる内容 | 根拠・対応 |
|---|---|---|
| 様式 | 様式第8号の6 | 厚生労働省の記載要領 |
| 根拠条文 | 職業安定法第43条の5 | e-Gov法令検索 |
| 提出期限 | 毎年8月31日まで | 厚生労働省の記載要領 |
| 基準日 | 当該年6月1日時点 | 一定期間の実績ではない |
| 提出方法 | 原則e-Gov電子申請 | 厚生労働省掲載のExcel様式を使用 |
| 公開範囲 | 第1面の「Ⅰ 公表項目」の記載内容のみ | 第2面以降は公開されない |
| 実績ゼロ | 記載要領に明示なし | 提出前に所管へ個別確認する |
第1面にある基本情報のすべてが公開されるわけではなく、「Ⅰ 公表項目」欄へ記載した内容だけが人材サービス総合サイトに掲載されます。第2面以降の概数や説明は公開されませんが、非公開であることを理由に根拠確認を省略せず、提出値を再現できる資料を残します。

最新様式を取得して集計設計を決める
提出準備は、前年のファイルを複製するのではなく、厚生労働省の募集情報等提供事業ページから最新のExcel様式と記載要領を取得して始めます。様式の版、取得日、確認者を残し、その版の欄番号と社内データを対応させます。
様式から基準日と記載項目を抽出する
基準日は当該年6月1日であり、4月1日から6月1日までのような対象期間を設けて集計する報告ではありません。6月1日時点で保有する情報の概数を抽出するため、月間件数や年間累計をそのまま転記せず、基準日時点の状態を再現します。
第1面には提出年月日、提出者、届出受理番号、名称、所在地、代表者の役名・氏名などの基本情報があります。「Ⅰ 公表項目」には、提供する主なサービス名、職業安定法第4条第6項のどの行為に該当するか、サービスのURLを記載します。
第2面は、募集情報を提供する事業と、労働者になろうとする者に関する情報を提供する事業に分かれます。前者は募集情報の概数と収集している求職者情報の概数、後者は求職者情報の概数と情報提供先の概数を記載し、それぞれの概数に関する説明も用意します。
第3面には、提供情報の内容、料金の有無、料金を支払う者、料金に関する事項など、サービスの概要を記載します。その後の欄では、職業安定法第5条の4に関係する求人等の情報の的確な表示について確認します。
記載項目と社内データの保管場所を対応付ける
報告書の欄を確認したら、値の保管場所、抽出条件、確定担当、根拠の確認状態を一つの準備表にします。次の表は、募集情報等提供事業のデータと、人材紹介事業を併営する際の人材HUBの文書化済み範囲を混在させないために整理した独自編集フレームです。
| 報告項目 | 社内データ元 | 集計定義 | 根拠確認状態 |
|---|---|---|---|
| 届出受理番号・名称・所在地・代表者 | 届出台帳・登記事項 | 基準日時点の正式表記を採用 | 様式第1面で確認済み |
| 主なサービス名・URL・該当行為 | サービス台帳・公開ページ・仕様書 | 公表対象とする主なサービス単位 | 記載要領で確認済み |
| 募集情報・収集した求職者情報の概数 | 募集情報等提供サービスのデータ | 6月1日時点で保有する情報を自社定義で抽出 | 基準日は確認済み、重複処理は社内定義 |
| 求職者情報・情報提供先の概数 | 募集情報等提供サービスのデータ | 6月1日時点の提供情報と提供先を区分 | 基準日は確認済み、識別単位は社内定義 |
| サービス概要・料金・対象職種 | 仕様書・利用規約・料金資料 | 報告するサービスごとに現行内容を照合 | 記載欄と選択区分を確認済み |
| 人材紹介事業の求人・求職・成約情報 | 人材HUBの一元管理データ | 併営時も概況報告の元データへ自動流用しない | 製品の文書化済み範囲との境界を確認 |
人材HUBで文書化されているのは、求人・求職・成約データの一元管理、法定帳簿3種の生成、職業紹介事業報告書用データの出力です。様式第8号の6の自動生成までは確認されていないため、併営事業者は募集情報等提供サービス側の情報と分け、定義が一致する項目だけを根拠付きで参照します。

求人情報を扱うデータの正確性と更新責任は、求人情報の的確表示義務の運用とも関係します。求職者に関する情報を抽出する際は、職業紹介事業の個人情報保護も参照し、報告のための確認と通常業務の利用範囲を混同しません。
集計定義・対象範囲・確定担当を固定する
概数を再現するには、「情報1件」を何で識別するか、重複をどう扱うか、停止中の情報を含めるかをサービスごとに決めます。これらは記載要領が一律に指定する数え方ではないため、自社の集計定義として記録し、担当者が変わっても同じ条件で抽出できるようにします。
主なサービスは様式本体へ5件まで記載し、6件目以降はExcelの別シート「別紙」を使います。提供中の全サービスを網羅することまでは求められていませんが、どのサービスを主なものとして選んだか、その判断と確認日を残します。
対象職種は、厚生労働省編職業分類の大分類で記載します。区分は、管理的職業、研究・技術の職業、法務・経営・文化芸術等の専門的職業、医療・看護・保健の職業、保育・教育の職業、事務的職業、販売・営業の職業、福祉・介護の職業、サービスの職業、警備・保安の職業、農林漁業の職業、製造・修理・塗装・製図等の職業です。
料金体系は、掲載課金型、クリック課金型、応募課金型、採用課金型、求職者情報提供・閲覧課金型、スカウトメール送信課金の区分から確認します。対象職種と料金区分はいずれも厚生労働省の記載要領に沿い、社内独自の名称だけで記載しません。

提出までの確認工程を組み立てる
提出工程は、期限だけを予定表へ入れるのではなく、基準日データの保存、集計、根拠照合、承認、電子申請、提出記録の保管へ分けます。法定期限と自社の準備日を別項目にし、遅延時にどの工程が止まっているかを確認できるようにします。
確定した提出期限から逆算する
提出期限は毎年8月31日までで、報告の基準日は当該年6月1日です。これは厚生労働省の記載要領で確認できる法定の予定であり、集計開始日や社内承認日は事業者が件数と体制に応じて置く運用日です。
まず6月1日時点の抽出条件とデータを再現できる状態で保存し、その後に重複や対象範囲を確認します。提出直前に現在値を抽出すると基準日後の登録や削除が混ざるため、基準日、抽出日時、条件、抽出担当を一組で残します。
準備予定には、最新様式の確認、基本情報の照合、概数抽出、説明欄の作成、サービス部門の確認、承認、電子申請を登録します。各日付は法定値ではなく社内の管理日として表示し、8月31日の提出期限と同じ列へ混在させません。
集計値と根拠資料を照合して承認する
承認時は、Excelへ入力した数値だけでなく、抽出条件、対象レコード、除外理由、概数の説明を照合します。前回値との増減は誤りの手掛かりにはなりますが、差があるという理由だけで前年値へ合わせず、当該年6月1日時点の根拠から確認します。
サービス名称、URL、料金、対象職種は、数値集計とは別に公開ページや現行仕様と照合します。「Ⅰ 公表項目」は人材サービス総合サイトで公開されるため、社内略称、終了済みURL、旧サービス情報が残っていないかを公表担当も確認します。
第2面以降は公開されませんが、個人に関する情報を含む元データへのアクセスは必要な担当へ限定します。承認用の資料には個票を無条件に複製せず、集計根拠を確認できる範囲と、個人情報を扱う範囲を分けます。
提出方法と受付確認の残し方を確定する
提出は原則e-Gov電子申請で、厚生労働省が掲載するExcel様式を使います。最新様式の取得元と原則的な提出方法は厚生労働省の募集情報等提供事業ページで確認し、社内手順には提出ファイル、提出者、提出日時を記録します。
一方、記載要領には受付確認の具体的な保存方法まで明示されていません。実際のe-Gov画面で確認できる申請情報や通知を基に、何を提出記録として残すかを決め、画面名や通知名を推測で固定しないようにします。
人材サービス総合サイトでの別の公表実務は、人材サービス総合サイトの公表義務ガイドで確認できます。概況報告の提出記録と公表画面の確認記録を分け、提出したという事実と、公開項目が反映された状態を同じ証跡として扱いません。

概況報告書に関するFAQ
提出前は、期限、提出経路、実績ゼロ時の取扱いを分けて確認します。最初の2点は指定資料から回答できますが、実績ゼロ時の扱いは明示がないため、同じ確度で断定しません。

提出期限はいつですか
毎年8月31日までです。報告するのは提出時点の累計や一定期間の実績ではなく、その年の6月1日時点で保有する情報の概数であり、厚生労働省の記載要領に基準日と期限が示されています。
8月31日だけを登録せず、6月1日時点のデータを再現できる状態で保存します。基準日後に情報が追加、変更、削除されても、報告値をどの条件で抽出したかを説明できるようにします。
e-Govで提出できますか
はい、原則としてe-Gov電子申請で提出し、厚生労働省掲載のExcel様式を使います。様式と提出案内は厚生労働省の募集情報等提供事業ページから確認します。
書面提出の例外や受付確認の具体的方法は、指定した記載要領だけでは確定できません。自社に必要な例外があるなら所管へ確認し、実際の申請画面と通知に基づいて提出記録を残します。
実績がない場合も提出が必要ですか
実績ゼロ時の取扱いは、指定した記載要領に明示がありません。空欄でよい、ゼロと記入する、提出不要になるといった結論を推測せず、届出受理番号とサービスの状況を示して所管へ確認します。
確認時は、「実績」が掲載、閲覧、応募等の件数を指すのか、6月1日時点で保有する情報がゼロなのかを区別します。質問内容、回答元、確認日を残し、翌年も同じ状況なら最新の記載要領と案内を再確認します。
まとめ|届出書と概況報告書を別工程で管理する
事業開始前の届出書と概況報告書は、様式と管理時点が異なります。概況報告は様式第8号の6を使い、6月1日時点で保有する情報の概数を整理し、毎年8月31日までに原則e-Govで提出します。
年間の提出準備へ組み込む際は、職業紹介事業者の年間スケジュールへ基準日、期限、担当、根拠確認日を登録します。届出と報告を分け、基準日時点のデータを再現できる管理を続けてください。
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