
転職勧奨禁止期間はいつまで?採用から2年の起算と記録方法【2026年版】
職業紹介事業者による転職勧奨の禁止期間は、紹介により無期の労働契約で就職した日から2年間で、求人・求職管理簿には採用年月日から2年後の応当日の前日までを記録します。この二つの表現は、厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」が示す禁止期間と、管理簿へ残す期間をそれぞれ表しており、どちらか一方へ置き換えるものではありません。
さらに、採用後6か月以内の離職状況を確認する運用があるため、2年間の禁止期間と6か月の離職確認を混同しない設計が必要です。採用情報を起点に二つの期日を登録し、求人管理簿と求職管理簿へ同じ結果を反映すれば、確認漏れや日付のずれを減らせます。
この記事では、起算日の違い、二つの管理簿へ残す内容、離職状況と返金状況の記録経路を時系列で整理します。法定帳簿3種類の全体像は、求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿の書き方で確認できます。
転職勧奨禁止期間の起算日と終期
期間管理では、法令・要領上の禁止期間と、求人・求職管理簿の記載方法を別の列で持つことが重要です。「採用日から2年」とだけ覚えると、実際の就職日が異なる案件で起算を取り違えます。一方、「就職日から2年」だけを記録すると、管理簿へ求められる採用年月日起点の期間表示が抜けます。
対象となる記録と期間の正確な定義
禁止の対象となるのは、職業紹介事業者の紹介により就職し、期間の定めのない労働契約を締結した人です。事業者はその人に対し、就職した日から2年間、転職の勧奨を行ってはならないと厚生労働省の業務運営要領 第9に示されています。有期雇用で採用された人は、この禁止の対象に含まれません。
求人管理簿と求職管理簿には、採用年月日、無期雇用就職者である旨、転職勧奨が禁止される期間を記録します。期間欄は、採用年月日からその2年後の応当日の前日までという形で保持します。就職日と採用年月日が異なる案件では二つの日付を別々に登録し、法令上の起算と管理簿上の表示を同じ値で上書きしません。
禁止期間・離職確認の早見表と計算例
禁止期間の時計は2年間、採用後情報を確認するもう一つの時計は6か月です。例えば採用年月日と就職日がともに2026年4月10日の通常例なら、管理簿の禁止期間欄は2026年4月10日から2028年4月9日までと記録し、6か月後の2026年10月10日を社内の確認予定日として管理できます。6か月の日付は離職状況を回収する業務上の予定であり、法定の提出期限を意味しません。
| 管理する時計 | 起点と期間 | 求人管理簿 | 求職管理簿 | 人材HUBでの入力元・更新 |
|---|---|---|---|---|
| 転職勧奨禁止の時計 | 法令・要領上は就職した日から2年間 | 採用年月日から2年後の応当日前日までを記録 | 同じ期間を記録 | 成約データの就職日・採用年月日から両方の期日を保持 |
| 離職確認の時計 | 採用後6か月以内の状況を確認 | 離職判明・不明または返金状況を追記 | 同じ結果を追記 | 採用後フォローと返金データから確認状態を更新 |
この表は、人材HUBで求人・求職・成約データを一元管理する実装を基に、二つの時計と二つの管理簿を同期させた運用モデルです。特殊な日付では2年後の応当日自体の扱いに確認が必要となるため、うるう日などの終期をこの記事の一般例から自動確定させません。

求人管理簿と求職管理簿へ記録する内容
採用後情報は、求人側と求職者側の両方から同じ成約を追える状態にします。求人管理簿だけを更新すると、求職者単位の紹介履歴が古いまま残り、求職管理簿だけを更新すると、求人者単位の採用実績や返金状況を照合できません。共通の成約IDを介して二つの管理簿へ反映する設計が有効です。

求人管理簿に残す採用後情報
求人管理簿には、あっせんした時期、求職者の氏名、採用または不採用の別を記録します。採用されたときは採用年月日を追加し、無期雇用ならその旨、管理簿上の禁止期間、離職状況または返金状況へつながる確認結果を残します。具体的な11項目と更新順は、求人管理簿の書き方と記載例で詳しく整理しています。
一つの求人へ複数人をあっせんしたときは、求人者名だけで履歴をまとめず、求職者ごとの選考と採否を分けます。採用後確認は該当する成約履歴へ追記し、他の不採用者や選考中の人へ誤って反映しないようにします。
求職管理簿に残す採用後情報
求職管理簿では、あっせんした時期と求人者の氏名または名称を記録し、同じ求人者から複数の求人があるときは対象求人を特定できる状態にします。続いて採否、採用年月日、無期雇用就職者である旨、禁止期間、離職状況または返金状況を求人管理簿と同じ成約にひも付けます。7項目の構造とあっせん履歴の残し方は、求職管理簿の書き方も参照してください。
求人者名と求職者名を手作業で転記すると、表記揺れにより二つの帳簿を照合しにくくなります。求人ID、求職者ID、成約IDを持ち、氏名や企業名が変わっても過去の採用記録との関係が切れないようにします。
離職状況または返金状況の記録経路
無期雇用就職者の採用後情報は、二つの経路のいずれかで記録します。一つは採用後6か月以内に離職したか否かで、解雇はこの区分から除かれます。調査しても離職状況が判明しなかったときは、空欄ではなく、判明しなかった旨、調査日、電話やメールなどの調査方法を残します(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」)。
もう一つは、6か月以内の離職に伴い、返戻金制度に基づく返金が行われたか否かを記録する経路です。返戻金制度の根拠は職業安定法施行規則第24条の5第1項第2号です。返金の有無だけでなく、対象となる成約、離職確認日、返金判断日を結び付けると、二つの管理簿で結果がずれません。

返金条件の設計や早期離職時の対応は、紹介手数料の返金規定と早期離職対策で解説しています。この記事では裁判例や返金率を一般化せず、管理簿に必要な確認結果と記録経路だけを扱います。
採用日を起点に追跡漏れを防ぐ運用
追跡漏れは、採用確定時に後日の予定を登録していないと起きやすくなります。採用年月日、就職日、雇用期間の定め、6か月確認予定日、2年間の期間を一つの成約レコードへ登録し、担当者と状態を持たせます。入社後の連絡設計は、内定後・入社後フォローと早期離職防止とも連動させると効率的です。
採用確定時に区分と2つの期日を登録する
採用確定時は、まず雇用契約が無期か有期かを区分します。無期なら就職日から2年間の禁止期間を管理し、同時に管理簿用として採用年月日から2年後の応当日前日までの期間を登録します。加えて、採用後6か月以内の離職状況を確認する予定日を設定し、求人担当と求職者担当のどちらが回収するか決めます。
就職日が未確定なら仮の日付から終期を断定せず、「就職日確認待ち」として保留します。採用年月日と就職日を一つの欄で兼用せず、確定した日付、情報源、更新者を記録することで、後から修正理由を追えます。

離職確認と期間中の対応を更新する
採用後の状態は、「確認予定」「確認済み・在職」「確認済み・離職」「調査したが不明」「返金確認済み」などに分けます。確認結果を得た日には、求人・求職両管理簿へ同じ成約IDで反映し、片方だけ更新済みの状態を残しません。確認できなかった案件も調査日と方法を持つため、未着手の案件と区別できます。
2年間の期間中は、禁止期間の開始日と終了日を参照できる状態にします。ただし、禁止行為の具体的な範囲や罰則は、本記事では例示や断定をしません。個別対応の可否を判断するときは、期間情報だけで結論を出さず、所管労働局などへ確認できる運用にします。

転職勧奨禁止期間に関するFAQ
有期雇用で採用された人も対象ですか
有期雇用で採用された人は、今回扱う転職勧奨禁止の対象外です。対象は、職業紹介事業者の紹介により就職し、期間の定めのない労働契約を締結した人に限られます。この対象範囲は厚生労働省の業務運営要領 第9で確認できます。
ただし、有期雇用の採用結果も求人・求職管理簿の採否や採用年月日には反映します。「禁止期間の対象外」と「採用記録が不要」を同じ意味にしないことが大切です。
離職状況が判明しなかった場合はどう記録しますか
調査しても離職状況が判明しなかったときは、その旨に加えて調査を行った日と調査方法を記録します。連絡が取れないという結果も、電話、メール、求人者への確認など、実施した方法と一緒に残します。空欄のままでは、未調査なのか調査済みで不明なのかを区別できません。
求人管理簿と求職管理簿の双方を同じ結果へ更新し、再確認するなら次回予定日も業務管理上の項目として持たせます。この記録方法は厚生労働省の業務運営要領 第9に基づきます。
返金がなかった場合も記録しますか
返金状況を用いる記録経路では、返金が行われたか否かを残すため、返金がなかった結果も記録します。「返金なし」を空欄にすると、未確認との区別ができません。確認日、対象成約、判断に使った返戻金規定をひも付けると、後日の照合が容易になります。
返戻金制度そのものは職業安定法施行規則第24条の5第1項第2号に位置付けられています。個別案件の返金額や条件は自社の明示した返戻金制度に従い、この記事から一律の割合を設定しません。
特殊な日付の終期はどう計算しますか
うるう日など、2年後の応当日の扱いが特殊になる日付の終期計算は、本記事では断定しません。通常日付の例を機械的に当てはめず、自動計算結果は「要確認」として保留し、所管労働局の案内で確定します。確認後は根拠、確認先、確定日を成約記録へ残します。
システムでは就職日、採用年月日、計算上の終了候補日、確認済みの終了日を別項目にします。未確認の候補日を確定日として両管理簿へ自動反映しない設計が安全です。
まとめ|6か月確認と2年間の期間管理を分ける
転職勧奨の禁止期間は、紹介により無期契約で就職した日から2年間です。一方、求人・求職管理簿には採用年月日から2年後の応当日前日までを記録し、採用後6か月以内の離職状況または返金状況も別の時計で追います(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」)。就職日と採用年月日、6か月の確認予定、2年間の期間を一つの成約IDへ結び付け、二つの管理簿を同期させることが要点です。
年間の法令対応と確認時期をまとめて管理するには、人材紹介会社の法令対応年間カレンダーも活用できます。採用後のイベントをその場限りの連絡で終わらせず、期日、担当、確認結果、反映先を継続して管理してください。
採用後の二つの時計を、一つの成約データで管理
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