求人管理簿の書き方|11項目の記載例と更新タイミング【2026年版】
お役立ち情報

求人管理簿の書き方|11項目の記載例と更新タイミング【2026年版】

2026年8月28日24分で読める

求人管理簿は、求人者情報から職業紹介の取扱状況まで11項目を、受付時・あっせん時・採否確定時・採用後確認時に分けて更新します。更新時点を分けることで、受付後に追加される採否や離職確認を空欄のまま残しにくくなります。

11項目を最初に埋めて終わりにすると、有効期間の終了、採否、無期雇用就職者の離職状況などが抜けやすくなります。求人申込書、求人票、推薦履歴、採否連絡、採用後の確認結果を一つの求人IDへ集約し、出来事が起きた時点で追記する運用が重要です。

この記事では、法定の11項目を入力元と4つの更新時点へ割り当て、記載例と確認順を解説します。3種類の法定帳簿を横断して確認したい方は、求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿の書き方もあわせてご覧ください。

求人管理簿の11項目と記録の全体像

求人管理簿は、求人の受付票を保存するだけの台帳ではありません。求人者から申込みを受けた時点の条件と、その後に誰をあっせんし、採用に至ったかをつなぐ履歴です。厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第9では、求人求職管理簿の備付けが職業安定法第32条の15に基づく義務として整理されています。

求人管理簿で管理する範囲

11項目のうち、最初の10項目は求人者と求人条件の基本情報です。求人者の氏名または名称、所在地、連絡先、求人受付年月日、有効期間、求人数、職種、就業場所、雇用期間、賃金を記録します。法人が複数事業所を持つときは、本社名だけでなく、申込みと採用選考の主体となる事業所を特定します。

11番目の「職業紹介の取扱状況」は、受付後に育っていく履歴です。あっせん時期と求職者、採否、採用年月日を順に追加し、無期雇用就職者については所定の禁止期間や離職状況まで追います。したがって、求人情報と紹介履歴を別々の表で管理する運用では、同じ求人を結び付ける求人IDが欠かせません。

11項目・入力元・更新時点の早見表

次の表は、法定項目を実務上の4時点へ割り当てた運用マトリクスです。各時点の欄は法令が指定する提出様式ではなく、人材HUBの求人・求職・成約データの一元管理と帳簿自動生成の実装を基にした更新設計です。「照合」は元の記録と現状を突き合わせ、「更新」は変更内容と変更日を履歴として残す作業を表します。

11項目受付時あっせん時採否確定時採用後確認時主な入力元
求人者の氏名または名称登録求人IDで照合照合変更時更新求人申込書・企業台帳
求人者の所在地登録照合照合変更時更新求人申込書・企業台帳
求人に係る連絡先担当者名と連絡先を登録連絡先を照合採否連絡元を照合変更時更新求人申込書・担当者台帳
求人受付年月日受付日時を登録保持保持保持受付記録
求人の有効期間開始日・終了日を登録有効性を確認終了時に更新終了状態を保持求人票・求人者との合意
求人数募集人数を登録選考中人数を照合採用数を反映募集終了を更新求人票・採否連絡
求人に係る職種登録推薦先職種を照合保持保持求人票
求人に係る就業場所登録推薦先を照合保持変更時更新求人票・雇用条件通知
求人に係る雇用期間登録契約区分を照合無期・有期を確定無期雇用対象を追跡求人票・採用条件
求人に係る賃金支払単位と金額を登録提示条件を照合採用条件を照合変更時更新求人票・採用条件
職業紹介の取扱状況求人IDを発行時期・求職者を登録採否・採用日を登録禁止期間・離職等を追記推薦履歴・採否連絡・確認記録
求人管理簿11項目を受付・あっせん・採否確定・採用後確認へ割り当てた対応表
求人管理簿11項目を受付・あっせん・採否確定・採用後確認へ割り当てた対応表

この形なら、受付担当者は求人条件、キャリアアドバイザーはあっせん履歴、採用後の担当者は離職確認というように、入力責任を分けても一つの帳簿へ集約できます。入力欄を増やすより、求人ID、更新日、更新者を共通キーにするほうが、未確認箇所を見つけやすくなります。

求人受付時に記録する10項目の書き方

受付時は、求人申込書と求人票から最初の10項目を転記し、原資料との相違がないか確認します。求人情報の正確性と最新性を保つ考え方は、求人情報の的確表示義務で詳しく解説しています。入力後は求人IDを採番し、同じ求人に関する連絡や変更を同じ履歴へ追加します。

求人受付時に登録する10項目と入力欄のレイアウト
求人受付時に登録する10項目と入力欄のレイアウト

求人者名・所在地・連絡先・受付年月日

求人者が法人なら法人名を記録し、複数事業所があるときは申込みと採用選考の主体となる事業所名まで特定します。所在地はその事業所の所在地、連絡先は採用選考について回答できる担当者名と電話番号などを組にします。「本社」「代表電話」のように連絡先が曖昧だと、後日の採否確認が止まりやすくなります。

受付年月日は、求人情報を受領した日を求人単位で残します。同じ求人者から同じ日に複数求人を受け付け、受付が同時でなかったときは、その事実も識別できるようにします。例えば職種Aを午前、職種Bを午後に受けたなら、別の求人IDと受付時刻または受付順を持たせると、更新履歴を取り違えません。この取扱いは厚生労働省の業務運営要領 第9に基づきます。

求人の有効期間と求人数

有効期間は開始日と終了日を明示し、期間が終了した都度、終了した事実を記録します。終了後も募集中に見える状態を避けるため、期限日を迎えた求人を「募集中」から「終了」へ変える担当者と確認時刻を決めておきます。延長の合意があったときは旧期限を消さず、新期限、確認日、確認相手を変更履歴として残すと経緯を追えます。

求人数は、求人として募集する労働者数です。受付時の募集人数だけで固定せず、採用決定や募集終了を受けて残数を照合します。複数人を募集する求人では、募集数、選考中、採用決定、残数を分けると、採用者が出た後も求人が有効か判断しやすくなります。有効期間は事前に求人者へ説明しておく事項でもあります。

職種・就業場所・雇用期間・賃金

職種は社内略称だけにせず、求人票と対応する名称にします。就業場所は都道府県だけでなく、実際の勤務先を特定できる粒度で記録します。複数拠点の可能性がある求人は、候補地を一つの文字列にまとめず、求人IDを分けるか拠点欄を複数持たせるとあっせん先を照合できます。

雇用期間は期間の定めの有無が分かる表現にし、有期なら始期・終期も原資料と対応させます。賃金は時給、日給、月給などの支払単位を省略せず、能力などで幅があるときは下限額と上限額を記録できます。求人受付時には、該当する都道府県の最低賃金を満たすかも確認します。これらの項目と留意点は厚生労働省の業務運営要領 第9に整理されています。

職業紹介の取扱状況を時系列で更新する

11番目の項目は、求人を受け付けただけでは完成しません。あっせん、採否確定、採用後確認のたびに、求人IDと求職者IDを使って履歴を追加します。受付情報を後から上書きするのではなく、出来事の日付と担当者を時系列で残すことが、帳簿と実際の紹介業務を一致させる基本です。

求人受付からあっせんと採否確定までをつなぐイベント時系列
求人受付からあっせんと採否確定までをつなぐイベント時系列

あっせん時期・求職者・採否をひも付ける

求人をあっせんした時点で、職業紹介を行った時期と求職者の氏名を記録します。同じ求職者を複数求人へ推薦することも、同じ求人へ複数人を推薦することもあるため、氏名だけでなく求人IDと求職者IDの組で管理します。推薦日、書類選考、面接、採否というイベントを一件ずつ持たせれば、複数の選考が並行しても履歴が混ざりません。

採否が確定したら、採用または不採用の別を当該あっせん履歴へ追加します。結果待ちを不採用として閉じず、「確認中」の状態を用意すると未回収の採否を抽出できます。労働局の定期指導に備える確認項目は、職業紹介事業の労働局定期指導ガイドも参考になります。

採用年月日・無期雇用・禁止期間を記録する

採用時は採用年月日を記録し、期間の定めのない労働契約を締結した人なら、無期雇用就職者である旨も追加します。転職勧奨の禁止は就職した日から2年間で、求人管理簿には採用年月日を起点として、その2年後の応当日の前日までの期間を記録します。有期雇用で採用された人はこの禁止の対象外です。根拠は厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」です。

無期雇用就職者の採用日から禁止期間と採用後確認を示すタイムライン
無期雇用就職者の採用日から禁止期間と採用後確認を示すタイムライン

採用年月日と実際の就職日が異なる運用では、二つの日付を別項目で保持します。帳簿へ記録する期間と、法令・要領上の禁止期間の起算を混同しないためです。特殊な日付の終期を担当者の暗算に頼らず、期間の開始日と終了日を確認できる形にしておくと転記ミスを防げます。

離職状況または返金状況を追記する

無期雇用就職者については、採用後6か月以内に離職したかを確認します。解雇はこの離職確認の区分から除きます。状況が判明しなかったときは空欄にせず、判明しなかった旨、調査日、電話やメールなどの調査方法を記録します。別の記録方法として、6か月以内の離職に伴い返戻金制度に基づく返金が行われたか否かを残す方法も示されています(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」)。

この確認結果は、年次報告に使う情報とも関連します。職業紹介事業報告書の書き方と項目定義をそろえ、帳簿と報告用集計で異なる採用日や離職状態を持たないようにします。求人・求職・成約を一元管理すれば、採用後の確認待ちだけを一覧にし、確認期限を担当者へ引き継げます。

求人管理簿の記載済み・未確認・更新待ちを判定する完成度チェック表
求人管理簿の記載済み・未確認・更新待ちを判定する完成度チェック表

求人管理簿に関するFAQ

同日に複数求人を受けた場合はどう書きますか

同じ求人者から同じ日に複数求人を受け付けたときも、職種や就業場所などで求人を特定できる単位に分けます。同日でも受付が同時でなかったときは、その旨を残す必要があります。求人IDを分け、受付時刻、受付順、職種名などの識別情報を記録すれば、後のあっせん履歴を正しい求人へ結び付けられます。

一つのセルへ複数求人を詰め込むと、求人ごとの有効期間、求人数、採否を更新できません。厚生労働省の業務運営要領 第9に沿って、求人単位で履歴を追える構造にします。

求人管理簿の保存期間は何年ですか

求人管理簿の保存期間は、完結の日から2年です。求職管理簿と手数料管理簿も同じく完結の日から2年であり、手数料管理簿だけを3年とする運用は採りません。保存期間の根拠条文番号は、本記事では付していません。制度本文は職業安定法施行規則(e-Gov法令検索)で確認できます。

「完結」は単なる求人受付日ではなく、その求人の取扱いが終わった日を基準に管理します。求人終了後に採用後確認を追加したときは、どの時点を完結日として保存期限を管理したかが追えるよう、完結日と期限日を台帳へ明示します。

電子データで作成してもよいですか

求人管理簿は電磁的記録で作成・備付けできます。ただし、必要に応じて記録事項を出力し、直ちに明瞭かつ整然とした形式で機器に表示でき、書面も作成できる状態が必要です。この条件は厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」に示されています。

表計算ファイルでも条件を満たし得ますが、求人IDの重複、履歴の上書き、担当者ごとの別ファイル化が起きると、必要な記録を直ちに提示しにくくなります。移行を検討する際は、Excelデータを管理システムへ移す5ステップを参照し、項目対応表と移行後の件数照合を先に設計してください。

まとめ|11項目を4つの更新時点に分ける

求人管理簿は、受付時に最初の10項目を登録し、11番目の職業紹介の取扱状況をあっせん、採否確定、採用後確認の順に更新すると漏れを防げます(厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第9」)。求人申込書、求人票、推薦履歴、採否連絡、採用後の調査結果を求人IDへ集約し、更新日と担当者を残すことが実務上の要点です。

年間を通じた帳簿、報告、更新手続の確認時期は、人材紹介会社の法令対応年間カレンダーで整理できます。まず自社の求人管理簿を11項目と4時点の表に照らし、未確認と更新待ちを分けてください。


求人管理簿を、更新漏れのない運用へ

人材HUBは、求人・求職・成約データを一元管理し、法定帳簿の作成を支援します。帳簿生成のイメージや無料での製品体験については、お問い合わせからご案内しています。

無料で製品体験 →


まずは無料で製品を体験してください

求職者・クライアント管理、法定帳簿の自動生成、事業報告書の出力までこれ1つで。月額2,980円から。

関連記事