個人情報適正管理規程の作り方|職業紹介事業のモデル例を実務化【2026年版】
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個人情報適正管理規程の作り方|職業紹介事業のモデル例を実務化【2026年版】

2026年9月12日23分で読める

個人情報適正管理規程は、厚生労働省・労働局のモデル例を土台に、情報を扱う職員の範囲、責任者、教育、開示対応を自社の役割と手順へ落とし込んで作成します。岐阜労働局の個人情報適正管理規程(参考様式第4号)には、許可事業者向けの4条構成と日付・事業所名欄が示されています。

モデル例の部署名や責任者名を埋めるだけでは、誰が教育を実施し、開示請求や苦情を受け、どの記録を残すかが曖昧になりがちです。条項ごとに担当者、実施契機、手順、証跡を対応させ、組織やシステムが変わった後も実行できる規程にします。

この記事では、参考様式第4号の構造を確認し、求職者情報の取得から開示・苦情対応、教育、見直しまでを実務へ変換します。個人情報保護全体の考え方は、人材紹介の個人情報保護ガイドもあわせてご覧ください。

個人情報適正管理規程の役割とモデル例

個人情報適正管理規程は、職業紹介事業者の内部で、情報を扱う人と管理方法を定める社内規程です。福岡労働局の許可申請書類一覧では、法人の新規許可申請に必要な添付書類の一つとして参考様式第4号が挙げられています。自社の事業所名、組織、担当を反映し、実際に運用できる内容へ整えます。

社内規程と求職者向け同意書を分ける

社内規程は、職員の範囲、責任者、教育、開示、苦情処理を組織内で実行するための文書です。一方、求職者向け同意書は、本人に利用目的や取扱いを示して同意を得るための文書であり、役割が異なります。同意書の作成は、求職者個人情報取扱同意書の書き方で確認してください。

同意を取得していても、社内の責任者や開示対応が未設定なら規程の代わりにはなりません。反対に、社内規程があっても、本人への説明と同意が必要な場面を省略できるわけではありません。文書名、対象読者、承認者、保管場所を分けて管理します。

参考様式第4号の4条構成を把握する

第1条は、個人情報を取り扱う事業所内の職員の範囲と個人情報取扱責任者を定めます。第2条は職業紹介責任者による年1回の教育・指導と、責任者による少なくとも5年に1回の職業紹介責任者講習会受講を置きます。第3条は本人からの開示・訂正・削除請求、第4条は苦情処理担当者による対応を扱います。

モデル例には、制定日を記す日付欄と事業所名称欄もあります。どの事業所の規程かを明確にし、複数事業所で部署や責任者が違うなら、各事業所の体制と文面が一致するか確認します。

参考様式第4号の職員・教育・開示・苦情という4条構成
参考様式第4号の職員・教育・開示・苦情という4条構成

モデル例の項目を自社の役割と手順にする

モデル条項を運用へ変えるには、抽象的な責務を担当、契機、作業、記録に分解します。次の表は参考様式第4号を基にしたYDAI独自の運用化マトリクスであり、公式様式そのものではありません。自社の部署名、責任者名、受付経路、保管先へ置き換えて使います。

モデル条項担当者実施契機手順記録証跡
取扱職員の範囲・責任者規程で指定した職員・個人情報取扱責任者制定時・組織変更時対象部署と責任者を確定し権限を照合承認済み規程・職員一覧・権限台帳
教育・指導職業紹介責任者年1回の実施時・責任者講習の管理時対象職員へ教育し理解を確認教材・出席記録・実施日・講習修了記録
開示・訂正・削除取扱職員・職業紹介責任者本人または代理人から請求を受けた時本人確認、客観的事実の開示、訂正等、結果連絡受付票・本人確認記録・回答・訂正履歴
苦情処理規程で定めた苦情処理担当者本人から苦情を受けた時受付、事実確認、適切な処理、回答苦情受付・調査・対応・回答記録

この対応表で空欄が残る条項は、規程上の文言があっても実行担当が決まっていない状態です。許可申請時の他の添付書類との関係は、有料職業紹介事業の許可申請書ガイドも参照してください。

情報を扱う職員の範囲と責任者を定める

参考様式第4号は、個人情報を取り扱う職員の範囲を部署単位で示し、個人情報取扱責任者として職業紹介責任者を記載する構成です。自社では「全社員」のような広い表現で済ませず、求人・求職情報へアクセスする部署と職務を洗い出します。責任者名は役職だけでなく、規程上だれを指すか特定できる形にします。

責任者に必要な資格の詳細や、他の役割との兼任可否は本記事では断定しません。モデル例が職業紹介責任者を置くことは確認できますが、それを根拠に任意の兼任が可能だとは決めず、個別の体制は管轄労働局の案内も確認します。

個人情報を扱う職員と職業紹介責任者・苦情処理担当者の役割分担
個人情報を扱う職員と職業紹介責任者・苦情処理担当者の役割分担

モデル例の年1回の教育・指導を運用にする

参考様式第4号の文言は、個人情報取扱いに関する教育・指導を年1回実施するという内容です。教育対象は第1条で定めた職員と対応させ、実施日、内容、講師、参加者、理解確認を記録します。「随時教育する」という表現だけでは、年1回の実施記録を確認できません。

同じ条項では、職業紹介責任者が少なくとも5年に1回は職業紹介責任者講習会を受講することも示されています。責任者講習に関する許可基準は厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領 第3」にも記載されています。社内教育の年次予定と責任者講習の受講履歴は、期限の異なる二つの記録として管理します。

本人からの開示請求への対応手順を定める

本人から開示請求を受けたときは、本人が有する資格や職業経験など、客観的事実に基づく情報を遅滞なく開示します。その情報について訂正または削除の請求があり、請求内容が客観的事実に合致するときは遅滞なく対応します。開示・訂正等の取扱いは、求職者へ周知できる状態にします。

受付方法を規程に定めるときは、申出先、提出書面の様式その他の方式、本人または代理人の確認方法、個人情報保護法第33条第1項に基づく手数料の徴収方法という4事項を定められます。提出書面には電磁的記録も含まれることが岐阜労働局の参考様式第4号に明記されています。自社が採用する受付経路だけを規程へ書き、実装していない方法を並べません。

本人確認、対象情報の抽出、責任者確認、回答、訂正・削除、結果連絡を順番にし、担当と期限管理を決めます。手数料を徴収するか、どの方法で徴収するかは自社の定めに沿って明記し、モデル例から金額を推測しません。

本人確認から客観的事実の開示・訂正・削除・結果連絡までの対応フロー
本人確認から客観的事実の開示・訂正・削除・結果連絡までの対応フロー

データ管理の実務へ落とし込む

規程の条項は、求人・求職・成約データを扱う日常業務へ接続して初めて機能します。取得、利用、保管、廃棄の各段階で担当と権限を分け、開示や苦情対応に必要な履歴を後から追えるようにします。法定帳簿との関係は、求人・求職・手数料管理簿の書き方も確認してください。

取得・利用・保管・廃棄の担当を対応させる

取得段階では情報源、利用目的、取得担当を記録し、利用段階では閲覧・更新できる職員を規程の範囲へ合わせます。保管段階では保存場所と管理者を定め、廃棄段階では承認者と実施記録を残します。廃棄時期の具体的な期間は、本記事で一律の年数を定めません。

法定帳簿として保存すべき情報と、規程に基づき管理する求職者情報を同じ理由で削除しないことが重要です。電子データの表示・書面化や履歴管理は、法定帳簿を電子保存する方法も参照し、保存義務とアクセス制御を分けて設計します。

個人情報の取得・利用・保管・廃棄と担当者を対応させたライフサイクル
個人情報の取得・利用・保管・廃棄と担当者を対応させたライフサイクル

保管場所・権限・対応記録を管理する

保管場所は、紙の保管庫、業務システム、共有領域など実際の保存先を台帳化します。各保存先について閲覧、登録、更新、出力、削除の権限を職務別に分け、異動や退職時に見直します。人材HUBで求人・求職・成約データを一元管理するときも、規程で定めた職員の範囲と利用担当の運用ルールを一致させます。

開示請求や苦情を受けた記録は、受付内容だけでなく、本人確認、調査、判断、回答、訂正履歴まで一つの案件として管理します。記録の保存期間は、法令・契約・社内規程を確認したうえで別途定めます。

制定後の教育と見直しを続ける

規程は許可申請時に提出して終わる文書ではなく、体制と実際の運用を一致させ続ける基準です。年1回の教育、責任者講習、開示・苦情記録、組織変更、システム変更を見直しの契機として登録します。規程本文と運用台帳の双方に版と承認日を持たせます。

承認者・教育履歴・確認記録を残す

制定・改定時は、起案者、確認者、承認者、適用開始日を記録します。年1回の教育では、教材、対象者、実施日、参加状況、理解確認、未受講者への対応を残します。職業紹介責任者講習は修了日と証明書を保管し、社内教育と同じ履歴へ混在させません。

開示請求と苦情の案件記録は、教育内容を見直す材料にもなります。同じ問い合わせや誤操作が繰り返されたときは、規程、手順、システム権限のどこに原因があるか確認し、次回教育へ反映します。

組織やシステム変更時に規程を見直す

部署の新設・統合、責任者の変更、業務委託、システム移行、権限設計の変更があったときは、規程と実態の差を確認します。モデル例の部署名や担当者名が旧体制のまま残っていないか、開示請求の申出先が現在も利用できるかを見直します。改定したら旧版を消すだけでなく、変更理由と適用開始日を残します。

見直し時には、日付欄と事業所名称も現在の規程対象と一致させます。複数事業所で共通規程を使うときも、各事業所の職員範囲と責任者を特定できる構造にします。

年1回の教育・対応記録・組織やシステム変更による規程見直しサイクル
年1回の教育・対応記録・組織やシステム変更による規程見直しサイクル

個人情報適正管理規程に関するFAQ

モデル例をそのまま使えば十分ですか

モデル例は規程の土台になりますが、部署名や責任者の空欄を埋めるだけでは十分とは限りません。担当者、実施契機、開示の申出先、本人確認方法、教育記録、苦情記録などを自社の実態へ合わせます。参考様式にない詳細を追加するときも、実行できない手順を形式的に書かないことが大切です。

許可申請用の文書と日常運用の手順を対応させ、規程の条項から担当者と証跡をたどれる状態にします。組織変更後も定期的に見直し、規程と権限台帳の差を残しません。

教育は必ず年1回必要ですか

参考様式第4号には、職業紹介責任者が対象職員へ個人情報取扱いの教育・指導を年1回実施する文言があります。規程へこのモデルを採用するなら、年次予定と実施記録を用意し、実施の有無を確認できる状態にします。表記は岐阜労働局の参考様式第4号に合わせます。

このモデル文言が及ぶ法的義務の厳密な範囲や根拠条文は、本記事では確定しません。モデル例の運用内容を説明する範囲を超えて、すべての事業者に同一条件の義務があるとは断定しません。

個人情報取扱責任者は誰を選任できますか

参考様式第4号は、個人情報取扱責任者として職業紹介責任者を記載する構成です。苦情処理担当者にも職業紹介責任者を置く例が示されています。一方、必要な資格の詳細や兼任できる役割の範囲は、参考様式の記載だけでは確認できません。

自社では職業紹介責任者の氏名、担当事業所、権限、代替連絡経路を明確にします。個別の兼任可否や体制に疑問があるときは、モデル例だけで判断せず管轄労働局の最新案内を確認します。

まとめ|モデル条項を担当・手順・記録へ変換する

個人情報適正管理規程は、参考様式第4号の4条を、自社の職員範囲、責任者、年1回の教育、開示・訂正・削除、苦情処理へ置き換えて作成します。条項ごとに担当者、実施契機、手順、記録証跡を決め、日付と事業所名を明示します。社内規程と求職者向け同意書は目的が違うため、一方で他方を代用しません。

制定後は教育履歴、開示・苦情記録、権限、組織・システム変更を基に継続して見直します。年間の教育と確認時期は、人材紹介会社の法令対応年間カレンダーも活用してください。


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