
【2026年版】有料職業紹介の責任者兼任届出書|新設事業所の特例と記入手順
【2026年版】有料職業紹介の責任者兼任届出書|新設事業所の特例と記入手順
有料職業紹介事業者が事業所を新設するとき、経験・担当人数・統括管理の条件を満たす職業紹介責任者を、期間を限って複数事業所に兼任させられる特例があります。
この特例は、単に同じ人の氏名を複数事業所の責任者欄へ記載すれば利用できる制度ではありません。新設に当たるか、責任者経験を通算できるか、複数事業所を通じた担当人数が上限内かを確かめ、通達様式第20号と確認資料を準備します。さらに、兼任中の連携方法や実地管理へ切り替える体制を、事業所ごとに決めておく必要があります。
本記事では、2026年4月1日からの特例について、対象と終了時点、届出書の記入順、統括管理の4つの留意事項を一つの流れで解説します。
職業紹介責任者の兼任とは|対象と期間の早見表
有料職業紹介事業の責任者兼任特例は、有料職業紹介事業者による事業所の新設に伴い、要件を満たす責任者が期間を限って複数事業所を担当する制度です。まず、厚生労働省の「事業所の新設にあたり、職業紹介責任者が複数事業所を兼任できるようになります」と通達様式第20号を基に、次の6点を確認します。
| 区分 | 確認項目 | 条件 | 確認資料 |
|---|---|---|---|
| 公的資料上の要件 | 新設 | 有料職業紹介事業者による事業所の新設であり、既存事業所の移転ではない | 有料・無料職業紹介事業変更届出書(様式第6号)、通達様式第20号 |
| 公的資料上の要件 | 経験年数 | 職業紹介責任者として実務に従事した期間が通算10年以上 | 通算の場合は在任期間を確認できる資料 |
| 公的資料上の要件 | 人数 | 責任者1人が複数事業所を通じて担当する職業紹介従事者は50人まで | 事業所別の従事者数、責任者一覧 |
| 公的資料上の要件 | 終了時点 | 新設した事業年度の翌事業年度末まで | 新設日、事業年度、終了予定日 |
| 公的資料上の要件 | 届出 | 新設の変更届出書へ通達様式第20号を添付 | 届出書、添付書類一覧 |
| 公的資料上の要件 | 統括管理 | 情報通信、実地管理への切替、継続確認・改善、指導監督へ対応する体制を整える | 連絡体制、確認記録、対応手順(任意の内部統制例) |

表の要件は、厚生労働省の「事業所の新設にあたり、職業紹介責任者が複数事業所を兼任できるようになります」、職業紹介事業の業務運営要領 第3「許可基準」、同 第14「通達様式集」、同 第4「職業紹介事業に関する手続き」・第5「申請、届出等の手続の原則」を照合しています。確認記録や対応手順の形式は法定添付書類ではなく、社内で任意に決める内部統制の例です。
新設日と終了時点は職業紹介事業者の年間スケジュールにも反映し、届出時だけでなく、専属の責任者へ切り替える準備日から逆算して管理すると確認漏れを防ぎやすくなります。
新設事業所に限る特例の対象と終了時点
対象は、有料職業紹介事業者が事業所を新設する場合です。既存事業所を別の所在地へ移す「移転」は、この特例における新設として扱いません。通達様式第20号にも、既存事業所の移転ではないことを確認する欄があるため、所在地の変更と事業所の新設を区別して整理します。
兼任できる期間は、新設した事業年度の翌事業年度末までです。たとえば、新設日だけを基準に一律で1年や2年と数えるのではなく、自社の事業年度へ当てはめて終了日を特定します。厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第3「許可基準」によると、兼任を開始した後に事業年度を変更しても、終了時点は届出時の事業年度を基に確認します。届出時の事業年度と算定した日を記録しておくことが重要です。
この期限は、要件を満たしている間だけ確認すればよい最終日ではなく、次の配置を完了させる期限として扱います。専属責任者の候補選定、必要な講習や社内手続、管轄労働局への確認に要する時間を見込み、終了直前に作業を集中させない運用にします。

経験年数・担当人数と専属責任者の配置を確認する
兼任者には、職業紹介責任者としての経験が通算10年以上必要です。連続した10年でなくても、複数の在任期間を合算して要件を確認できます。ただし、通算する場合は、期間ごとの事業所名、就任日、退任日を整理し、その経験を確認できる資料を任意様式で準備します。一般的な責任者の役割や選任要件は、職業紹介責任者の選任要件と分けて確認してください。
人数は、兼任者が担当する新設・既存の全事業所を合計します。責任者1人が担当できる職業紹介従事者は、複数事業所を通じて50人までです。また、一つの事業所で職業紹介従事者が50人を超える場合、その事業所には少なくとも1人の専属責任者を置きます。会社全体の人数だけ、または新設事業所の人数だけでは判定できません。
確認日は新設時点にそろえ、責任者ごとに担当事業所と従事者数を並べます。増員や担当替えを予定している場合は現在数と予定数を分け、50人を超える見込みが生じた時点で配置案を見直します。
職業紹介責任者兼任届出書を準備する手順
届出準備では、先に新設・既存事業所の全体像を作り、その内容を通達様式第20号へ転記します。様式だけを先に埋めると、兼任者以外の責任者や、既存事業所側の担当人数を見落としやすいためです。
ステップ1 新設・既存事業所と全責任者を記入する
厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第14「通達様式集」通達様式第20号「職業紹介責任者兼任届出書」には、新設事業所と既存事業所を分けて記入する欄があります。事業所名、所在地、新設日、翌事業年度末、職業紹介従事者数を確認し、各事業所で専属または兼任する責任者を全て記載します。
責任者の経験年数欄は、兼任する人について、新設事業所の設置日時点の満年数を記入します。専属責任者については経験年数を記入しません。「兼任する人だけを一覧にする」のではなく、新設・既存の双方で誰が専属の責任者で、誰が兼任者かを一枚で照合できる状態にするのがポイントです。
次の表は、公的資料の項目を届出準備と兼任中の運用へ対応させた編集表であり、統計や顧客事例ではありません。法令・様式上の要件と、社内で任意に設ける運用確認を区別して使います。
| 区分 | 兼任可否の確認項目 | 通達様式第20号の欄 | 確認資料 | 任意の運用提案 |
|---|---|---|---|---|
| 公的資料上の要件 | 対象が事業所の新設で、移転ではないか | 新設事業所の名称・所在地・新設日、移転ではない旨の確認 | 有料・無料職業紹介事業変更届出書(様式第6号) | 対象事業所と兼任の終了時点を共有する |
| 公的資料上の要件 | 責任者経験が通算10年以上か | 兼任する責任者の経験年数 | 通算の場合のみ在任期間を確認できる資料 | 算定の基準日と根拠を社内で管理する |
| 公的資料上の要件 | 1人の担当が合計50人以内か | 新設・既存事業所の従事者数、各責任者の専属・兼任 | 事業所別の人員表、責任者一覧 | 増員・異動時に人数を再集計する |
| 公的資料上の要件 | 50人を超える事業所に専属責任者がいるか | 各事業所の従事者数と責任者の区分 | 配置表 | 事業所単位で配置を確認する |
| 任意の運用確認項目 | 終了日から逆算した準備日を決めたか | 翌事業年度末 | 社内の配置・引継ぎ計画 | 候補者の選定と引継ぎの進捗を確認する |

記入前の一覧には、事業所ごとの従事者数と各責任者の担当人数も含めます。様式の人数と人員表の集計基準を合わせ、兼任者ごとの合計が50人以内か、50人を超える事業所に専属責任者がいるかを別々に確認します。
ステップ2 経験年数の確認資料と新設届をそろえる
職業紹介責任者としての複数の在任期間を通算する場合は、通達様式第20号に加え、経験年数を確認できる資料を任意様式で用意します。社内で整理する例として、各期間の開始日と終了日、勤務した事業所、責任者として従事したことが分かる情報を並べれば、重複期間の二重計上を確認できます。算定表の合計と様式の満年数が一致するかも確認します。
兼任届出書は単独の定期届ではなく、事業所新設に伴う変更手続と組み合わせて提出します。厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第4「職業紹介事業に関する手続き」・第5「申請、届出等の手続の原則」では、事業所の新設を変更届出の対象とし、有料・無料職業紹介事業変更届出書(様式第6号)に通達様式第20号を添付する関係が示されています。変更手続全体の書類や提出先は、職業紹介事業の変更届出ガイドと管轄の都道府県労働局で確認してください。

提出用の一式では、新設日、事業年度末、事業所名、責任者名、従事者数を横断して照合します。事前相談を行う場合は、未確定事項と質問を分けておくと、回答を受けた後にどの書類を直すかが明確になります。
兼任中の統括管理を運用する
兼任の要件確認は届出で終わりません。離れた事業所を責任者が統括できる連携体制を定め、状況の変化を継続して確認し、必要な改善につなげます。
統括管理の4つの留意事項を日常業務へ割り当てる
厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第3「許可基準」が示す統括管理の留意事項は、次の4つです。
- 情報通信技術を活用し、各事業所の業務を統括管理できる連携体制を整える
- 必要に応じて、責任者が事業所へ出向く実地管理へ切り替えられる体制を整える
- 統括管理の実施状況を継続して確認し、必要な改善を行う
- 兼任によって都道府県労働局の指導監督に支障が生じないようにする
4事項を実行するための任意の内部統制例として、平常時の担当者、確認頻度、異常時の連絡先、残す社内記録を決めます。これらは法定様式や法定の保存事項ではありません。たとえば、日常の情報共有が途切れたとき、苦情や個人情報に関する事案が起きたとき、責任者が現地で確認すべき状況になったときの判断者を明確にします。オンラインで連絡できるだけではなく、実地管理へ移る条件と移動後の報告方法まで用意することが重要です。
法定帳簿との照合方法は、人材紹介の法定帳簿ガイドも参考になります。求人・求職・手数料の記録を事業所別に確認できるようにしておけば、責任者が連携状況と業務の実施状況を同じ対象期間で点検できます。
兼任の終了時点と事業所別の確認結果を共有する
任意の社内管理表には、兼任開始日、終了予定日、対象事業所、事業所別の従事者数、責任者の配置、4事項の確認結果をまとめます。これらは法定の記載・保存事項を追加するものではありません。毎回の確認では、結果だけでなく、対象期間、確認者、参照した記録、改善が必要な点、次回確認日を残します。人員が増えた場合や連携方法を変えた場合は、担当人数と管理体制を改めて照合します。
終了予定日は、経営管理部門だけでなく、新設・既存の両事業所へ共有します。次の専属責任者をいつ決めるか、引継ぎ対象の求人・求職・成約情報は何か、未完了の確認事項が残っていないかを逆算して確かめます。兼任期間が終わる直前ではなく、配置変更に必要な準備期間を社内期限へ織り込んでください。

統括管理の体制を整える際は、日常の紹介情報も確認しやすくしましょう。人材HUBでは、求人・求職・成約情報を一元管理できます。
よくある質問
兼任はいつまで認められますか?
厚生労働省の「事業所の新設にあたり、職業紹介責任者が複数事業所を兼任できるようになります」によると、この特例は2026年4月1日から始まり、有料職業紹介事業者が新設した事業所で兼任できるのは、新設した事業年度の翌事業年度末までです。既存事業所の移転は新設として扱いません。自社の事業年度を基に具体的な終了日を確認し、その日までに次の配置を完了できるよう準備します。
経験年数と担当人数の条件は何ですか?
厚生労働省の「事業所の新設にあたり、職業紹介責任者が複数事業所を兼任できるようになります」によると、兼任する職業紹介責任者には、責任者経験が通算10年以上必要です。また、責任者1人が担当できる職業紹介従事者は、複数事業所を通じて50人までです。一つの事業所で従事者が50人を超える場合は、その事業所に少なくとも1人の専属責任者を置きます。新設・既存事業所の人数を同じ基準日で集計してください。
兼任届出書には誰を記入しますか?
厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領 第14「通達様式集」通達様式第20号「職業紹介責任者兼任届出書」に従い、新設・既存事業所で専属または兼任する責任者を全て記入します。経験年数は兼任者について新設日時点の満年数を記載し、複数の在任期間を通算する場合は、その経験を確認できる資料を添付します。
まとめ|確認事項を業務と記録に反映する
責任者兼任の特例を使うときは、新設に該当すること、経験が通算10年以上であること、担当人数が複数事業所を通じて50人以内であること、兼任の終了時点を最初に確認します。そのうえで、通達様式第20号へ新設・既存事業所の全責任者を記入し、必要な経験確認資料とともに新設の変更届出へ組み込みます。
兼任中は、情報連携、実地管理への切替、継続確認と改善、労働局の指導監督への対応を日常業務へ割り当て、事業所別の結果を任意の社内点検記録として残します。人員や体制が変わったときも同じ確認表へ戻り、専属責任者への移行を期限から逆算してください。
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