職業紹介事業の廃止届・廃業手続き完全ガイド|様式・期限・許可証返納【2026年版】
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職業紹介事業の廃止届・廃業手続き完全ガイド|様式・期限・許可証返納【2026年版】

2026年8月12日21分で読める

有料職業紹介事業を廃止する際は、廃止届の提出・許可証の返納・当該年度分の事業報告書提出・法定帳簿の保存対応・求職者データの整理という5つの手続きを、廃止日を起点にしたスケジュールで並行して進める必要があります。

「事業をやめると決めたが、何をどの順番で届け出ればいいのかわからない」。廃業は開業ほど情報が整理されておらず、様式や期限が労働局のPDFに分散しているため、届出漏れが起きやすい局面です。

本記事では、廃止届の様式・提出期限から、許可証の返納、廃止年度の事業報告書、廃止後も2年間続く法定帳簿の保存、そして求職者・求人企業の個人情報整理までを、廃止日を軸にした一連の流れとして整理します。

結論:廃止手続きの全体像(早見表)

有料職業紹介事業の廃止手続きとは、廃止届の提出・許可証の返納・事業報告書の提出・法定帳簿の保存・個人情報の整理という5つの対応を、廃止日を起点に並行して進める一連の実務です。個々の手続きは別々の様式で進むように見えますが、起点となる「廃止日」を決めれば、必要な対応と期限は次の早見表のように一枚で把握できます。

なお、事業を続けたまま行う許可の更新手続きとは別物です。本記事は「事業そのものをやめる」ときの手続きに絞って解説します。

手続き主な内容期限の目安根拠・関連
廃止届の提出有料職業紹介事業廃止届出書を労働局へ提出廃止した日から10日以内職業安定法第32条の8
許可証の返納許可証を管轄労働局へ返納遅滞なく(廃止届と同時が確実)職業安定法施行規則
事業報告書の提出廃止年度分(廃止日まで)の実績を報告年度ごとの提出ルールに準じる職業安定法第32条の16
法定帳簿の保存求人・求職・手数料管理簿を保存継続完結の日から2年間職業安定法施行規則第24条の7
データ整理求職者・求人企業の個人情報を適正に整理・廃棄保存義務分を除き遅滞なく個人情報保護法

廃止届の様式・記載事項・提出先

廃止届出書の様式・記載事項・提出先の関係を示した図解
廃止届出書の様式・記載事項・提出先の関係を示した図解

有料職業紹介事業を廃止したときは、所定の様式による廃止届出書を、許可を受けた事業所を管轄する都道府県労働局に提出します(職業安定法第32条の8)。開業時の許可申請と異なり、廃止届は書類点数が少なく手続き自体はシンプルですが、後述する許可証返納や事業報告書とセットで扱う点に注意が必要です。

様式番号と入手方法

廃止届出書の様式は、厚生労働省・都道府県労働局が配布する「有料職業紹介事業廃止届出書」を使用します。様式番号や記入欄は改正で変わることがあるため、記入前に必ず管轄労働局の最新様式(窓口配布またはウェブサイト掲載分)を入手してください。古いひな形を流用すると、記載項目の過不足で差し戻される原因になります。

記載事項と提出部数

廃止届には、事業主の名称・所在地、許可番号、廃止した年月日、廃止した事業所などを記載します。廃止日は「実際に職業紹介業務を終了した日」を指し、任意の区切り日を書くものではありません。提出部数や添付書類(許可証の添付有無を含む)は労働局ごとに運用差があるため、提出前に窓口へ確認しておくと二度手間を防げます。

廃止届の提出期限とスケジュール

廃止日を起点にした提出期限と前後スケジュールの早見表を示した図解
廃止日を起点にした提出期限と前後スケジュールの早見表を示した図解

廃止手続きでもっとも取り違えやすいのが期限です。廃止届は「廃止した日から10日以内」という短い期限が定められており(職業安定法第32条の8)、事業を止めた実態が先行して届出が後回しになりやすい点に注意します。

廃止届の提出期限

廃止届の提出期限は、廃止した日から10日以内です。ここでの「廃止した日」は、求人・求職の取扱いを実際に終了した日を指します。廃業を決めた時点でこの起算日を確定し、返納・報告書の準備を同時に走らせておくと、10日以内の提出に無理なく間に合います。

廃止前後のスケジュール早見表

タイミング対応する手続き
廃止日の前求職者・求人企業への終了連絡、成約案件の清算、帳簿の記載完了
廃止日廃止日(起算日)の確定
廃止日から10日以内廃止届の提出・許可証の返納
廃止年度の報告期限まで廃止日までの事業報告書を提出
廃止後2年間法定帳簿を保存し、満了後にデータを消去

許可証の返納手続き

許可証返納の対象・方法と返納漏れのリスクを示した図解
許可証返納の対象・方法と返納漏れのリスクを示した図解

事業を廃止すると許可はその効力を失うため、交付を受けていた許可証は労働局へ返納します。廃止届とあわせて処理すれば、返納漏れによる督促や再手続きの手間を防げます。

返納の対象と方法

返納の対象は、有料職業紹介事業の許可証(本社および届け出た事業所分すべて)です。廃止に伴い許可証は失効するため、遅滞なく管轄の都道府県労働局へ返納します(職業安定法施行規則)。実務では、廃止届の提出時に許可証を持参または同封し、同時に処理する方法が確実です。

返納を忘れた場合のリスク

許可証の返納を失念しても事業廃止の事実は変わりませんが、行政側の許可台帳と手元の状態が食い違い、後日の照会や確認対応が発生します。廃止したのに許可証が手元に残っている状態は、名義の悪用や誤解を招くリスクもあるため、返納は廃止届と同じタイミングで完了させておくべきです。

廃止時点で必要な事業報告書・法定帳簿の対応

廃止年度の事業報告書提出と法定帳簿2年保存の関係を示した図解
廃止年度の事業報告書提出と法定帳簿2年保存の関係を示した図解

廃業でも、廃止年度分の事業報告書の提出義務と、法定帳簿の保存義務は消えません。むしろ「事業をやめたあと」に対応が残る点を見落とすと、廃止後にトラブルになりやすい領域です。

廃止年度分の事業報告書提出

有料職業紹介事業者は毎年度の事業報告書を提出する義務があり(職業安定法第32条の16)、廃止する場合も、廃止日までの実績をまとめた事業報告書を提出する必要があります。記載項目や集計方法は通常年度と同じで、作成手順は有料職業紹介事業報告書の書き方で解説しています。廃止前の駆け込み作成にならないよう、日々の帳簿を締めた段階で集計を済ませておくのが安全です。

法定帳簿の保存期間中の管理(人材HUBの実務知見)

求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿の法定帳簿は、完結の日から2年間の保存義務があり(職業安定法施行規則第24条の7ほか)、この義務は事業を廃止しても保存期間が満了するまで続きます。各帳簿の記載項目は人材紹介の法定帳簿の作り方で確認できます。人材HUBで法定帳簿を運用する事業者の廃業対応を整理すると、廃止届・返納と並んで「廃止後も2年残る帳簿保存」の見落としが目立ち、廃止時点で帳簿を確定出力してアーカイブしておく運用が有効です。

人材HUBは、求人管理簿・求職管理簿・手数料管理簿を日常業務の記録から自動生成し、事業報告書用のデータ集計もまとめて行えます。廃止時点でPDFやデータとして確定保存できるため、2年間の保存義務にもそのまま対応できます。

廃止に伴うデータ整理(求職者情報の取扱い)

廃止時の求職者・求人企業データの取扱いと保存・削除の切り分けを示した図解
廃止時の求職者・求人企業データの取扱いと保存・削除の切り分けを示した図解

廃止後は、求職者や求人企業から預かった個人情報の利用目的が消滅します。法定帳簿として保存が必要な分を除き、不要になった個人情報は適正に整理・廃棄する必要があります(個人情報保護法)。

CRM・システム上の個人情報の取扱い終了対応

CRMや表計算ソフトに蓄積した求職者データは、廃止時点で「保存義務がある帳簿相当のデータ」と「業務目的が消滅したデータ」に切り分けます。前者は保存期間(完結の日から2年)が満了するまで安全に保管し、満了後に消去します。後者は遅滞なく削除し、削除の記録を残しておくと、後日の問い合わせにも説明できます。廃止と同時に全データを一括削除すると帳簿保存義務に反するため、アーカイブ化してから期限管理する順序が重要です。

求職者・求人企業への説明対応

進行中の紹介案件がある場合は、廃止前に求職者・求人企業へ事業終了を連絡し、選考中の案件の扱い(他社紹介の可否、預かった書類の返却・破棄)を取り決めます。個人情報の取扱い終了についても、問い合わせ先や保存・廃棄の方針を案内しておくと、廃止後の連絡先不明によるトラブルを避けられます。

人材HUBなら、求職者データを案件・帳簿単位でエクスポートできるため、廃止時に「保存すべきデータ」と「削除すべきデータ」を切り分けやすく、個人情報の整理を計画的に進められます。

まとめ

有料職業紹介事業の廃止は、廃止届・許可証返納・事業報告書・法定帳簿の保存・個人情報の整理という5つの対応を、廃止日を起点に並行して進める手続きです。特に、廃止届と許可証返納は「廃止した日から10日以内」、法定帳簿の保存は「廃止後も完結の日から2年間」と、期限の性質が異なる点を取り違えないことが重要です。廃止を決めた段階で起算日を確定し、帳簿と報告書を締めてから届出・返納・データ整理を一気に進めれば、廃業後に手続き漏れを引きずるリスクを最小化できます。


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よくある質問(FAQ)

廃止届はいつまでに提出すればよいですか?

廃止した日から10日以内に、許可を受けた事業所を管轄する都道府県労働局へ提出します(職業安定法第32条の8)。「廃止した日」は、求人・求職の取扱いを実際に終了した日を指します。

廃止届と事業報告書はどちらを先に提出すればよいですか?

廃止届は廃止日から10日以内という短い期限があるため、まず廃止届と許可証返納を優先します。廃止年度分の事業報告書(職業安定法第32条の16)は、廃止日までの実績を集計して別途提出します。作成手順は有料職業紹介事業報告書の書き方を参照してください。

許可証を紛失した場合、廃止時の返納はどうすればよいですか?

許可証を紛失している場合は、返納の代わりに紛失した旨を管轄の都道府県労働局に申し出て、指示に従って手続きします。自己判断で放置せず、廃止届の提出時に窓口へ相談するのが確実です。

廃止後、求職者・求人企業から預かった個人情報はどう扱えばよいですか?

法定帳簿として保存義務がある情報(完結の日から2年)は保存期間の満了まで安全に保管し、満了後に消去します。それ以外の業務目的が消滅した個人情報は、個人情報保護法に沿って遅滞なく適正に廃棄します。

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